れもんです!
今回は、元大学教員で管理栄養士の私が、「減塩」を習慣化して、継続するポイントを紹介します
以前の記事で、1日に7g未満の食塩摂取量が目標とされているのにも関わらず、日本人の多くは食塩摂取量が過剰であることを紹介しました
食塩摂取量についての解説記事はこちら▼
今まで食塩摂取量を意識してこなかった方にとっては、食塩摂取量7g/日 未満の目標を達成することは難しいと感じると思います
そこで、減塩が難しいと感じる方のために、減塩おすすめする理由と継続するためのポイントを紹介していきます
何か参考になれば嬉しいです!
「減塩」をおすすめする理由
食塩(ナトリウム)は体でどんな働きをするのか
難しい説明なので、読み飛ばしてもOKです!
ナトリウムは主に細胞外液に含まれ、細胞内液に含まれるカリウムとともに浸透圧を調節しています
ナトリウムはカリウムと拮抗して作用します
カリウムを多く含む野菜を摂ると、ナトリウムの排出が促進されると言われているのはこのためです
体内のナトリウムが増えると、浸透圧を調節するために細胞外液量がふえるので、
・むくみ
・血圧の上昇
の原因となります
濃い味の料理を食べた次の日に顔がむくんでしまうのは、浸透圧調節が働いて、細胞外液量が増えたためです
食塩を過剰に摂取することの問題とは
食塩を過剰にとりすぎると、高血圧の原因となります
高血圧は、
・脳血管疾患
・慢性腎臓病
・胃がん
などの発症リスクを高めます
「まだ若いから私には関係ない」と思うのではなく、今のうちから減塩の習慣を継続しましょう
年齢を重ねた時に病気になる確率を減らすことで、いつまでもおいしく食事が食べられます
一度習慣になると、年齢を重ねて習慣を変えようとするのは大変です
「減塩」のポイント3つ!
減塩をするためのポイント3つを紹介します
どれも日々の生活で簡単に変えられるものなので、できることから取り入れてみてください
香りのある食材と組み合わせる⇒減塩に
日本料理の汁物では、「吸い口」といいゆずやみょうがなどの薬味を加えます
薬味のおかげで、汁ものに香りが加わり、味を引き立てることができます
味だけでなく、香りは嗅覚を使って感じるので、少ない塩分でも満足することができます
洋食においても、スパイスやハーブを加えた料理が多く、複雑な味になります
香りがある食材は、このようなものがあります↓
・しょうが、みょうが、ゆず、大葉、梅干し
・ガーリック、ローズマリー、バジル、マスタード
・こしょう、クミン、唐辛子
五感のうち味覚だけでなく嗅覚でも味わうことができるので、少ない調味料でも満足できます
また、香りのある薬味やスパイスは、料理に加えるだけでワンランクアップした食事になります
スパイスやハーブは日持ちするので、一度買っておけば加えたいときにいつでも使えて便利です
私がストックしているスパイスやハーブを紹介します↓
・ゆず(乾燥 or チューブ) ⇒酢の物や汁物に
・ローズマリー ⇒お肉を焼くときの香りづけに
・クミン ⇒煮込み料理やニンジンサラダに
・ガーリックパウダー ⇒にんにくに代わりに
・ナツメグ ⇒ハンバーグに加える
・パセリ ⇒サラダやスープに
少し料理に加えるだけで、おいしさがアップし減塩もできるので、ぜひ取り入れてみてください!
うまみのあるものと組み合わせる⇒うまみの相乗効果による減塩
同じ濃度の塩水でも、かつお昆布だしを加えたすまし汁は、塩味をより強く感じることができます
これは、かつお節や昆布に含まれているうまみを感じる成分によって、味が強められるためです
食材に含まれているうまみ成分には、
・グルタミン酸:昆布、トマト、チーズ
・イノシン酸:かつお節
・グアニル酸:干ししいたけ
の3つがあります
「グルタミン酸」「イノシン酸」「グアニル酸」は、だしとしてよく使われる「昆布」や「かつお節」、「干ししいたけ」などに含まれています
また、洋食によく使われている「トマト」や「チーズ」にもうまみ成分が含まれています
これらの食材に少しの塩を加えることで、深みのある味付けになります
これらの食材のほかにも、うまみ成分は上記と比較すると少ないですが、牛肉や玉ねぎなどの様々な食材にうまみ成分が含まれています
具体的なうまみの活用方法をご紹介します↓
・かつお昆布だし:汁物や煮込み料理に
(水に対して1%のかつお節と昆布でだしをとる or 顆粒だし)
・しいたけだし:筑前煮などの煮込み料理に
・トマト缶:ラタトゥイユやミネストローネに
(トマト缶と野菜を煮込み、コンソメを加えるだけでおいしくなります+チーズ)
味を見ながら調味料を徐々に加えてみてください
うまみを含む食材を使うことで、いつもよりも調味料の量が減っているはずです
栄養成分表示を見ながら購入する
お惣菜を購入する場合には、「栄養成分表示」を見ることをおすすめします
1日の目標量が7g/日未満なので、1食の食塩相当量を2g程度にとどめるように食品を選びます
栄養成分表示はこのように表示されています↓
令和2年4月1日までは「ナトリウム」の表示でも認められていましたが、現在では減塩を推奨するために「食塩相当量」で表示するように変更されました
この栄養成分表示の食塩相当量を確認して、食品を購入するように心がけましょう
ここで注意しなければならないのは、食品の単位です
100g(ml)単位で書かれているもの、1食単位、1個単位で書かれているものなど食品によって様々です
そのため、自分が実際に食べる量で食塩相当量を直す必要があります
例えば、餃子が1個単位で書かれている場合、
1食分(例:4個)に換算するためには、餃子4つ食べることになるので
「餃子1個の食塩相当量×4(g)」に直して考えます
食品を選ぶときには、食品の単位に注目してみてください!
はじめは大変に感じるかもしれないけれど、慣れてくると簡単にできるよ!
健康資産について考える
食塩は目にはっきりと見えにくい分、あまり意識しないかもしれません
徐々に濃い味を好むようになっていませんか?
すでに調味された料理に、後から醤油やソースをかけるようになった…など、意識をしないと以前と比べて塩分が濃いものに慣れることがあります
香りやうまみを活用して素材本来の味を楽しむことができるようになると罪悪感を感じることが少なくなります
また、楽しみながら減塩を意識できるので、自分の心を満足させることができると思います
自分の心と体を喜ばせるために、日々より良い選択ができるといいな!と思っています
一緒に、どんどん行動して「内面から美しく」を目指しましょう~!
「おいしくて、作りやすく、栄養が摂れる」を満たす料理アイデアはこちら▼
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「内面から美しく」を目指すための栄養学を学ぶにはこちら▼
参考文献
・令和元年「国民健康・栄養調査」の結果
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html
・「健康日本21(第三次)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001122156.pdf
・高血圧治療ガイドライン2019 (日本高血圧学会)
https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019/JSH2019_noprint.pdf
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