「内面から美しく!」は、私の永遠のテーマだと思っています
「内面から美しく」というのは、おいしくて心が満たされる食事をとり、毎日をごきげんで過ごすことができる、心と体が喜んでいる状態のことだと思っています
このサイトでは、心と体を喜ばせながら、美しくなることをコンセプトに情報発信をしています
今回の記事は、「おいしくて心が満たされる食事」につながる栄養についてです
食事改善で一番最初に思いつくのが糖質制限だと思います
ダイエット系のブログ記事や書籍などでも、目にしたことがある方もいるかもしれません
でも、いくら情報メディアで言われていても
・糖質は体でどのような働きをしているの?
・本当に糖質制限は必要なの?
・どのように食生活を改善すればいいの?
ということが分からない方が多いのではないでしょうか?
先にお伝えすると、糖質は体にとって重要な栄養素なので、無理をして制限をする必要はありません
私自身、糖質はエネルギーが高いから、糖質制限したほうがいいんじゃない?
体型を維持している人はお米を食べていない方が多いでしょ!って勝手に思っていました
しかし、管理栄養士になり、栄養学の全体像を勉強すると、糖質を適切に摂取することの重要性がよく分かりました
糖質は体にとても大切です
というわけで、
・炭水化物(糖質)ってそもそも何?
・糖質は体の中でどんな働きをしているの?
と思っている方に対して、管理栄養士で元大学教員である私が、
初心者の方でも分かるように、炭水化物について丁寧に解説していきます
今まで、「とりあえず糖質制限かな~」「どうやって食生活を改善すれば…」と思っていた方も、ぜひ一度読んでいただけると嬉しいです
この記事を見たら糖質とは何かが分かるよ!!
すぐに実践したい方は、「心と体を喜ばせる食事」の記事がおすすめです▼
なぜ食事において炭水化物について知ることが重要なのか
先に結論をお伝えすると
です
今まで、あの人が糖質制限をしたら痩せたって言ってたから~ とか
とりあえずお米食べるのを控えよっかな! って思っていた人も
この記事を読めば栄養学に基づいた、糖質の摂取について知ることができます
「なんとなく」と「知っている」では、実際の食生活の行動が変わってきます
本質を理解して、自分の食生活で実践していきましょう!
まず前提として、炭水化物は「糖質」と「食物繊維」に分類される
炭水化物と糖質って何が違うんだろう?
糖質の働きを解説する前に、まずは「糖質」とは何かを説明します
炭水化物は、ヒトの消化酵素で消化される「糖質」、消化されない「食物繊維」の大きく2つに分けられます
食物繊維について詳しくはこちらの記事で解説しています▼
糖質にも様々な種類があり、食品によって含まれる種類が異なります
よく知られている糖質はこちらです↓
・ぶどう糖:素早いエネルギー補給ができるという売りで、薬局でよく見る
・果糖:果物に多い
・しょ糖:砂糖の主成分
・乳糖:ミルクに含まれる
・麦芽糖:麦芽や甘酒に含まれる
難しいので詳しいことは省略しますが、糖質の種類によって、消化や吸収の経路が違います
「糖質を多く含む」と聞くと、ヒトの消化酵素で消化できる「ぶどう糖や果糖、しょ糖…」などが含まれているんだ! と思ってください
糖質と食物繊維は別だよ!
糖質とは:糖質の働きで重要なポイント2つ!
いよいよ、糖質は体でどんな働きをするのかを解説していきます
糖質の重要な働きはこちらの2つです▼
❶ エネルギー源となる
❷ 血糖値を調節する
この2つのポイントを理解すると、糖質の重要性が分かってきます
それぞれ解説していきます
① エネルギー源となる
糖質の一番重要な役割は「エネルギー源になる」です
糖質を1g摂取すると、4kcalのエネルギーが作られます
小学校ではよく、食品を3つに分類した3色食品群で
「黄色→エネルギーのもとになる」と勉強しますよね!
特に、脳や神経組織などは「ぶどう糖」しかエネルギー源として使えません
重要なエネルギー源が不足すると、なんとかエネルギー源を確保しようと体が頑張ってくれますが、
基本的にはぶどう糖が頼りです
極端に糖質を減らすと、体に負担がかかってしまうんだね!
② 血糖値の調節:食後や食前の血糖値を調節する
①で紹介したように、ぶどう糖はエネルギー源として重要です!
そんな重要なぶどう糖が枯渇しては困るので、体内では血糖値(ぶどう糖/グルコースの濃度)を一定に保つ仕組みが備わっています
血糖値が変わりやすいのは、どのタイミングだろう?
血糖値が変わりやすいのは、「ごはんを食べる前の空腹時」と「ごはんを食べた後」だよ!
お腹がすいたとき、頭が動かないな…と感じたことはありませんか?
パスタなどの糖質が多い食事をした後、急に眠くなったことはありませんか?
このように感じるのは、血糖値の変化が起こっているからです
【ごはんを食べる前】と【ごはんを食べた後】にどのように血糖値が調節されるのか、解説していきます
【ごはんを食べる前】
ご飯を食べる前の空腹では、このような流れで血糖値を保とうとしています▼
❶ 肝臓の蓄えを分解してぶどう糖に
❷ 脂肪を分解
❸ 体のたんぱく質を分解
❶ 肝臓の蓄えを分解してぶどう糖に
ごはんを食べたときに取り込まれたぶどう糖(グルコース)は、肝臓で
貯蔵しやすい状態の「グリコーゲン」として蓄えられています
ちなみに、キャラメルのお菓子の「グリコ」は「グリコーゲン」から名前が付けられているんだよね!
血糖値が低下すると、まず、血糖値を上げるホルモンが分泌されます
ホルモン分泌によって、蓄えられていたグリコーゲンが分解され、ぶどう糖が放出されます
この分解されたぶどう糖が血糖値を一定に調節してくれます
❷ 脂肪を分解
脂肪組織でもエネルギー源を作ろうと頑張ってくれています
脂肪組織では、「中性脂肪(グリセロール+脂肪酸)」の形で蓄えられています
血糖値を上げるホルモンの分泌を感知すると、中性脂肪が分解されて、グリセロールと脂肪酸になります
そして、グリセロールは肝臓に運ばれてぶどう糖を作る材料となります
❸ 体のたんぱく質を分解
肝臓に蓄えられているグリコーゲンは少ないので、すぐに足りなくなります…
肝臓に蓄えられているグリコーゲンはすぐに不足してします
そうすると、筋肉などのたんぱく質の一部が分解されて、アミノ酸が放出されます
※たんぱく質はアミノ酸がたくさん結合してできています
このアミノ酸は肝臓に運ばれ、アミノ酸を材料にぶどう糖を作って、血糖値を保とうとします
❹ それでも足りなくなったら…
生命の危機を免れるための最終手段です
もし、肝臓・脂肪組織→たんぱく質 を使っても血糖値が保てなくなると、
②の中性脂肪(グリセロール+脂肪酸)を分解する過程で、使われなかった「脂肪酸」が使われます
脂肪酸から肝臓で「ケトン体」というものが作られ、エネルギー源になります
しかし、ケトン体が増えすぎると体が酸性になり、体がうまく働かなくなるという危険もあります
極度に糖質制限をすると危険なのは、ケトン体が増えて体が正常に動かなくなるかもしれないからだね!
【ごはんを食べた後】
次に、ごはんを食べた後では、このような流れで血糖値を保っています▼
❶ 肝臓や筋肉に蓄える
❷ 脂肪組織に蓄える
❶ 肝臓や筋肉に蓄える
空腹時とは逆に、ごはんを食べて消化・吸収されたぶどう糖は、
貯蔵しやすい「グリコーゲン」(ぶどう糖がたくさん結合した)になって肝臓や筋肉に蓄えられます
❷ 脂肪組織に蓄える
肝臓や筋肉に貯蔵しても、余ったぶどう糖はどうなるの?
肝臓や筋肉に蓄えても余ったぶどう糖は、脂肪組織に蓄えられるよ!
脂肪組織では余ったぶどう糖が取り込まれ、中性脂肪となり脂肪組織に貯蔵されます
しかも、肝臓や筋肉とは違って、脂肪組織にはいくらでも蓄えられます
不足しないように、生命の危機に備えているんだね!
長くなりましたが、糖質の働きをまとめます
糖質の摂取方法とは:知っておきたいポイント3選!
①糖質の必要量:不足すると?過剰摂取すると?
糖質が不足すると?
糖質が不足すると、脂質やたんぱく質がエネルギー源として使われてしまいます
そうすると、たんぱく質は本来の機能である「たんぱく質の合成」に使えなくなります
一方で、糖質を過剰に摂ると、ビタミンB₁が不足してしまい、糖質の代謝がうまく進まなくなります
ビタミンB₁は糖質の代謝のために必要なので、糖質の摂取量が増えると、ビタミンB₁も必要が増えます
②糖質はどんな食品に多く含まれる?
このような食品に糖質が多く含まれています
・ごはん
・パン
・麺
・いも類
・砂糖
主に主食になる食品が多いです
③炭水化物の質も大切
糖質はエネルギー源になり重要ですが、炭水化物の質も気を付ける必要があります
例えば、砂糖を多く含む食べ物や飲み物、精製された穀物などの偏った食事をするとどうでしょうか?
このような食品は糖質を多く含んでいますが、ビタミンやミネラルは少なくなりがちです
糖質代謝にはビタミンが必要なので、不足してしまうと代謝がうまく進まなくなってしまいます
また、食物繊維は日本人に不足しがちです
偏った食事にならないように、「炭水化物の質」にも注目できれば、食事がよりよくなると思います
まとめ
糖質の働きの重要ポイント2つ
炭水化物は大きく糖質と食物繊維に分けられます
糖質にはこのような重要な働きがあります
❶ エネルギー源となる
❷ 血糖値を調節する
とても重要な働きをしているので、過不足なく食事から摂取したいですね
糖質の摂取方法は
糖質が不足したり過剰になると、それを補おうと他の栄養素が代わりになったり、代謝の進行に制限がかかってしまったりします
なので、過不足なく糖質を摂取できるとよいです
炭水化物は、主食になるごはん、パン、麺や砂糖に多く含まれています
ですが、ビタミンやミネラル、食物繊維が不足しないように、炭水化物の質にも気をつけるとよいです
実践編として、「心も体も喜ばせる食事」について解説しています▼
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