テレビなどでモデルが果物をおすすめしているのを見るけれど、本当に健康に良いのか、どれくらい食べればよいのか、迷ってしまいますよね?
実は、1日に200gの果物の摂取が推奨されているのにも関わらず、日本人の多くは果物が不足しています。
そこで、元大学教員で管理栄養士の私が、果物の摂取をおすすめする理由と果物摂取量の目安を、分かりやすく解説します
この記事を読めば、果物の摂取の必要性とその習慣を継続するヒントが分かり、より良い食生活に改善することができます
果物は1日にどれくらいの量を食べるといいのか
毎日、果物を食べていますか?
果物は皮をむくのが面倒だし、値段が高い印象があると思います
野菜や肉などと比べて、果物は「別に食べなくてもいいかな」と思っている人もいるのではないでしょうか?
あるいは、「果物は美意識高めの人が食べるから、私には関係ないかな~」と思っていませんか?
果物を1日200g食べることが推奨されている
果物の推奨量は1日200gです
「健康日本21(第三次)」では、果物摂取量の目標は1日200gと設定されています
1日200gという目標値はちゃんとした理由があり、海外の摂取量や生活習慣病リスクの文献をもとに決定されています。
目標値の設定に当たっては、諸外国の野菜類・果物類の推奨摂取量の状況、最新の果物摂取と生活習慣病リスクに関する国内外の文献を精査し、生活習慣病の予防の観点で果物摂取量としてどの程度食べることが適切であるか等を検討した結果、果物摂取量の平均値を指標とし、200g/日を目標値として設定した。
健康日本21(第三次)について(厚生労働省):https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001122156.pdf
果物200gの目安はこれくらい ⇒みかん2個 or りんご1個
果物200gと聞くと、多そうに感じますよね?
上のイラストで示したものが100gなので、2種類の果物を組み合わせると200gになります
果物は水分をたっぷりと含んでいるので、200gは思ったよりも少なく、ぺろっと食べられる量です
メロン1個とか、みかん10個とか、非現実的なことは言わないので安心してください
果物を食生活に取り入れるハードルは下がりましたか?
しかし、果物を食べるメリットが十分に理解できていないと、すぐに忘れてしまいます
果物の摂取をおすすめする理由も記事の後半に書いているので、最後まで読んでみてください!
現状:果物を全く食べていない人は、約4割いる
まずは、果物の摂取量の現状をご紹介します
ご自身の食生活と照らし合わせて考えてみてください
令和元年「国民健康・栄養調査」より、果物摂取量は約4割の人が0gだそうです
100g未満の人は約6割もいるよ!
また、日本人の果物摂取量の平均値は99gと報告されています
果物摂取量の目標値(「健康日本21(第三次)」)は200gなので、平均すると100gも不足しているということになります
100gだとみかん1個分くらい不足しているんだね!
みなさんはどうでしたか?
この結果を見て、「みんな食べていないなら、別に気にしなくていいのかな?」と思ってほしくないです…
果物を食生活に取り入れるメリットを知っている人は、すでに実践しています
果物を食べることをおすすめする理由
果物は太りそうというイメージを持っている人も知るかもしれません
先ほど示した、果物200g程度の量であれば、問題ありません
※医師や管理栄養士の指示を受けている場合は、その指示に従ってください
もちろん、食べすぎは太る原因となるので、食べすぎには注意してくださいね
果物はビタミン、カリウム、食物繊維が豊富
果物はビタミン、カリウム、食物繊維が豊富です
ビタミンは、糖質・脂質・タンパク質のエネルギー代謝を助ける働きがあります
体内で作ることができない栄養素もあるので、食べ物から積極的に摂らなければなりません
果物に多く含まれる特徴的なビタミンはこちらです↓
・ビタミンC
・ビタミンA
・ビタミンE
果物の種類によって、多く含まれているビタミンの種類は異なるよ
ビタミンCはキウイフルーツやかきに多く含まれます
ビタミンCは、コラーゲン合成を助けたり、皮膚や粘膜の健康維持を助けたりする働きがあります
ビタミンCは水溶性ビタミンで、体内に蓄えることができないので、毎日継続的に摂取するのがおすすめです
ビタミンAは、みかんやかきに多く含まれています
ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きがあります
ビタミンEは、キウイフルーツに多く含まれます
ビタミンEは抗酸化作用をもつビタミンで、他の食材だとアーモンドに多く含まれています
カリウムは、ナトリウムの排出を促す働きがあり、細胞液の浸透圧を調節しています
ナトリウムの摂りすぎはむくみにつながるので、カリウムを取り入れるのがおすすめです
多くの果物に含まれており、特にバナナに多く含まれています
食物繊維は、便のかさを増やすので、便通を整えるうえで欠かせない栄養素です
食物繊維は不足しがちなので、野菜に加えて、果物からも摂れるといいですね
果物では、キウイフルーツ、かきに多く含まれています
果物は栄養素がたくさん含まれているので、ぜひ積極的に食生活に取り入れてみてください
もちろん、果物だけでなく、バランスの良い食事を心がけることが大切です
ジュースやドライフルーツでもいいのか
りんごジュースやオレンジジュースでもフルーツにカウントしていいのかな? と思う人がいるかもしれません
ジュースは作られる過程で、果汁と食物繊維に分けられます
ジュースの中には、水溶性の食物繊維は一部残っていますが、不溶性の食物繊維は除かれています
そのため、ジュースは血糖値があがりやすく、果物や野菜の代わりに摂取するのはあまりお勧めしません
なので、野菜や果物の補助的な目的で飲むとよいと思います
ドライフルーツは乾燥して味が濃縮しているので、おいしいですが…
フルーツを乾燥させているドライフルーツは、生の果物の代わりに摂取してもよさそうに思えるかもしれません
しかし、ドライフルーツは重さ当たりのエネルギー量や糖質が高い傾向にあります
また、砂糖や油でドライフルーツをコーティングしているものがあるので、食べすぎには注意です
果物に含まれている果糖は気にしなくてもいいのか
もちろん、適切な食事量の人が、いつもの食事に加えて余分に果物を食べれば太ると思います
これは、摂取エネルギー量と消費エネルギー量のバランスが取れていた状態から、果物分のエネルギーが余分に追加されたことによるものです
先ほど紹介したように、果物には豊富な栄養素が含まれています
なので、いつも食べているエネルギーの範囲内で、果物を取り入れたバランスの良い食事内容に改善すると、
今までと変わらず維持できる or 不足していた栄養素を補うことができて、食生活が改善される
という結果になると思います
⇒結論、果物200g程度で、いつものエネルギーの範囲内であれば、果糖は気にしなくてもよい、です
※医師や管理栄養士の指導を受けている方は、その指示に従ってください
まとめ
果物の摂取は200gが目標として掲げられているのにもかかわらず、現状は日本人の平均が99gと目標と現実には約100gもの差がありました
果物には、
・ビタミン(C、A、Eなど)
・カリウム
・食物繊維
などの栄養素が豊富に含まれているというメリットがあります
1日200gの果物の摂取を目指して食生活を改善することを意識して、心と体を喜ばせる食習慣を身につけましょう!
しかし、果物200gを毎日食べるのは大変だと思います
そこで、果物の摂取を継続するためのポイントを紹介したので、ぜひこちらの記事を読んでみてください
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参考文献
・令和元年「国民健康・栄養調査」の結果
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html
・「健康日本21(第三次)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001122156.pdf
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